週末のお知らせと中島の小話。
こんにちは。ひだまり堂の中島です。
桜はあっという間に満開となり、もう既に散りはじめている木もある様です。
いつもは心が躍る季節なのですが、世間の慌ただしさからなかなか心置きなく楽しめない現状が続いております。
さて、明日28日(土)と29日(日)ですが、東京都よりコロナウイルス感染拡大を防ぐ為ということで、不要不急の外出を控えるようにとの要請がありました。
ひだまり堂では以下の様に対応させていただきます。
◎28日および29日の診療は、既にご予約頂いている患者様に限り診療させていただきます。
◎既にご予約頂いている患者様で、ご予約キャンセルをご希望の方は、遠慮なくお電話またはメールにてお知らせください。(29日以降も同様です)
◎28日および29日の診療時間は10時~17時までとさせていただきます。
今後も感染拡大を防止するために、状況や政府からの発表により随時対応していこうと思っております。患者様にはご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、どうぞご理解の程宜しくお願い致します。
ついでなのでちょっと小話にお付き合いを。
題して「SARSの抑制の裏にあった東洋医学の活躍」
中島は映画好きなので、日々報道や買い占め騒動を見ていると、まるで映画の様だなぁ・・・なんて思って見てしまうのですが、いやいや!これは現実!そんな事のんきに言ってられないぞ!と気合を入れなおしました。
過去にはSARS(重症呼吸器症候群)やMARS(中東呼吸器症候群)も今と同じように流行し、大騒ぎになりましたね。
そうそう!SARSといえば、2002年~2003年に中国の広東省を起源として世界的規模の集団感染が発生しました。この時WHOの統計によると全世界での死亡率が11%にも上ったのに対し、中国広東省では3.8%に留まったという話があります。
この話の裏には東洋医学の活躍があったという話は皆さんご存知ですか?
なんと当時の中医学の権威とされていた「老中医」と呼ばれるすごい中医学の先生達が、まだ原因の特定もできてないうちに、SARSに対する中薬処方をいち早く確定し、流行の拡大を食い止めたというのです!すごい!!
なぜこんなことができたのか。それには東洋医学と西洋医学の様々な違いがあります。
①診断の仕方が違う
西洋医学では様々な診断方法を用いて、病気の原因を探し出し「病名」をつけることで治療法を決定します。「病名」は一度ついてしまうとめったなことでは変わることはなく、それに向かって治療がどんどん進んでいきます。
東洋医学での病名は「証」という考え方を用います。「証」とは「ある一定の症状の集まり」という感じで、問診や脈診、腹診、視診など、様々な角度から患者さんを診察し情報を集めて、それを色々なカテゴリーに分けていき、どの領域に偏っているかによって「証」を決めていきます。そのため患者さんの症状が変化すると「証」もその都度変わる可能性があります。「証」に対する治療法はあらかじめ決まっているので「証」が変われば治療法も変わります。
②治療の考え方が違う
東洋医学では「同病異治(どうびょういち」や「異病同治(いびょうどうち)」という考え方があり、例えば同じ「風邪」でも咳がでるタイプか鼻水タイプ、頭痛や発熱・・・など症状は人によって様々。同じ病であっても、症状が違えば治療法は変わります。逆に違う病であってもそこに共通の症状が出ていれば同じ「証」になり治療法も同じになります。
症状の集まりが「証」を決め、「証」が治療法を決定するのです。
その時その時の患者さんの状態によって「証」が変わる。同じ病気でも人によって症状が違って当たり前。だから治療法も違って当たり前。
これが東洋医学がオーダーメイドと言われるゆえんなのですね♪
今回のコロナウイルスに置き換えてみても、咳がでて熱が出る人もいれば、呼吸困難や肺炎、味覚がなくなる人もいる。その一つ一つの症状を見極めて、それに合った治療をそれぞれにしていくということです。
SARSの際、東洋医学はSARSの「症状」をみて「証」にあてはめることで治療法が決定できたので、原因特定するまで治療ができなかった西洋医学より早く対応できたということなのです。
今回の様なウイルスの流行はいかに早く対策し、感染を拡大させないかが重要です。
私たちにはSARSの際の老中医の様なことは残念ながらできませんが、一人一人がやれることをするのが本当に大切だと思います。
・手洗い、うがい、咳エチケット!
・外出は控える!
・人が多いところに出向かない!集まらない!
これだけでもかなり感染は抑え込めるのではないでしょうか。今一度身を引き締めて、早く日常を取り戻しましょう。